バレンタインで分かった強い意志

ピュアな中学生の頃の出来事です。
私には好きで好きでたまらない部活の先輩がいました。
しかし、当時はクラスの男子と話すのも赤面してしまうぐらいの恥ずかしがり屋で、先輩と話すなんてとんでもないことでした。

そんな私ですが、小さい頃から好きなことに関してはとても強い意志を持っていました。
恋についても同じだったようです。
バレンタインにチョコレートを渡すことは当然のように決まっていました。
それだけ真剣な想いを伝えるにはどうしたかというと「郵送」です。

今考えると住所も知らないであろう人から送られてくるとは、とても気味悪く感じたでしょう。
しかしその時の私はこれはいい作戦だ!と晴れ晴れした希望に満ちた気分だったことを覚えています。
直接会って渡すことはできないけれど必ず届けたい、私の心理にぴったりでした。
住所は友達と学校帰りに家を偵察に行き調べたり、友達のお兄ちゃんに聞いたような記憶があります。
ある意味ストーカーですね。すごい執念です。

スーパーで買ったチョコレートを綺麗にラッピングし名前だけを記してゆうパックで送りました。

きっと先輩もびっくりしたことでしょう。
私の想いが伝わったら意識してくれるかもしれないという僅かな期待と、実は両想いな気もするという確信のない自信で1カ月待ちました。

その間は、チラチラと目は合いますがもちろん会話もありません。
いよいよホワイトデーの日、ドキドキしながら学校に行くと、モテていた先輩は放課後、たくさんのお返しを配っていました。

私にはいつくるんだろうと思っていた時、同じ先輩が好きでチョコレートを渡していた親友が私のところに来ました。
聞くと、先輩に呼ばれてお返しをもらい、私の分を預かってきたのだと言います。
私たちは同じキャラクターのマグカップをもらい、お互いに特に何もなく終わってしまいました。

結局、両思いかもしれないという確信のない自信も打ち砕かれ、気持ちを伝えて意識してもらうどころか、顔と名前が一致していなかった可能性は十分あります。

あんなに、ピンっときた郵送でのバレンタインは完全に作戦ミスで終わってしまいました。

あれから20年以上経ちますが、実家には未だに黒ネコの「FELIX」のマグカップが未使用であります。
これは、淡い思い出を大切にしている・・という訳ではなく、大人っぽいものが好きだった私はキャラクターグッズがあまり好きでなかったというだけです。

嫌いなものに対しても強い意志があることがこれで分かりました。